NISSAN DELTAWING(フルスクラッチ)製作顛末記(2)

さて、胴体部分はあっという間にほぼ形になりましたので、次は左右の張り出し部分を作ります。
プレスリリースの写真では、どうにも掴みどころのない形をしていますが、CADで平面形さえ作ってしまえば、左右対称の形を削り出すのはMODELAを使えば楽勝です。

どちらも同じデータを使っているので、本体と張り出し部分の合わせも簡単にぴったりと合います。 そして更に、側面形になる板を削り出します。側面を削る際には大目に写真を撮っていたので、板の切り出しについてはこちらで解説します。

基準板にはタミヤの2mmプラボード(プラ板と少し違う)を使用します。MODELAのソフトは、3D切削用のModela Player ではなく、彫刻用のDr.Engraveを使用します。
Dr.Engraveは、ソフトで指定した線の上を切削刃物が動き、刃物の直径等は考慮されないため(Modela Playerはこのあたりを計算してくれる)、データを刃物の半径分オフセットする必要があります。今回はφ6mmのエンドミルを使用したので、外側に3mmオフセットしたデータを作り、Dr.Engraveに読み込みます。そして、2mmのプラボードに対して1.6mm厚で切削を行います。
プラボードは、プラ板ほどではありませんが、何もしないとエンドミルの摩擦熱によって溶けてエンドミルに巻きつくので洗剤を少し入れた水を切削液として使いつつ(重要)慎重に作業をします。今回、1個はそれで失敗しています。加工自体はこれも10分も掛からないでしょう。

削り終わってMODELAから取り出したまま、表から見た結果がこれ。一部肉厚が無くなりそうな部分は、データを不連続にしてわざと削り残しができるようにしています。

そして裏から見ると、削った部分が透けて見えます。残り板厚は2mm-1.6mmで0.4mmしか無いので、ニッパーやカッターで簡単に必要な部分を切り出すことができます。

そしてこのように組み合わせ、これをゲージにしてエポキシパテを盛って形を作ってゆきます。